有限会社共範歯車工作所

先代の「鉄工所の町医者」を受け継いで──ピンクの工場から、一点ものの歯車を

東大阪市高井田中。町工場が軒を連ねる一角に、特徴的な淡いピンクの外壁の工場がある。有限会社共範歯車工作所。昭和35年(1960年)に歯切り盤2台とフライス盤2台から始まり、60年以上にわたって産業機械の歯車をつくり続けてきた。代表を務めるのは東有里社長。就任3年目を迎える。

同社がつくるのは、スリッターや印刷機械、ベンダー、農業機械まで、あらゆる産業機械の中で回り続ける歯車だ。材質は鉄やステンレスから樹脂まで幅広く、手のひらに乗るものから、両手でなければ持ち上がらない大きなものまで手がける。「ほとんどが小ロット・多品種。1個からでもお受けしています」と東社長。ホブ盤7台をはじめ旋盤、マシニング、ワイヤーと社内に工程を揃え、材料手配から仕上げまで一貫対応できる体制が、その柔軟さを支える。

同社が掲げるモットーは「鉄工所の町医者」。先代であり、東社長の夫でもあった前社長の言葉だ。「何を言われても、すぐに答えてあげられる。うちに来たら何でもできる」。その姿勢は、いまも現場に根づく。象徴的なのが、図面のない仕事だ。古い機械に組み込まれた歯車が壊れた——そんな相談に、持ち込まれた現物から寸法を割り出し、図面を起こすところから引き受ける長年培ったノウハウが活きる。すでにメーカーの保守も製造が終わった機械を、もう一度動かす仕事である。歯車以外の相談でも、まず話を聞き、社内で難しければ協力会社と解決策を探す。断らずに受け止める。そこに「町医者」たるゆえんがある。

工場のピンクの外壁は取締役の橋本氏が発案。雨漏りで塗り替えが必要になったとき、それまでの水色から思い切って変えた。歯車をあしらった愛らしいロゴも、就任後につくったものだ。社内TikTokの発信も橋本氏によるもので、展示会では「見ていました」と声をかけられることも増えたという。

現場に立つのは9名。40代を中心に、20代の若手から、90代でいまも現役という会長まで。この春にはベトナム出身の若手も加わった。東社長自身も入社して2年目に旋盤を握った。「鉄があんなにピカピカになる。自分のプログラムで作れるというのは、すごいなと思いました」。

前職は介護の仕事だった。ものづくりも経営も、ここから覚えた。「わからないことだらけです」と笑う東社長。大東市金属加工連携グループへの入会も、同じ女性経営者からの紹介がきっかけだった。気さくに話せる仲間とともに、共範歯車工作所は東大阪から、世の中の機械を回し続ける。

会社情報

加工種別機械加工
企業名有限会社共範歯車工作所
郵便番号 住所577-0065
東大阪市高井田中3-8-25
加工技術/製品旋盤・フライス・マシニング・ワイヤー・歯切り・キー加工/歯車等の産業機械部品
得意技術加工機の充実により、一気通貫体制を構築。多品種・小ロットを得意としております。
TEL06-6781-3059
FAX06-6781-1685
ホームページhttp://www.kyouhan.co.jp/
連絡担当者
設立1960年
資本金1000万円
従業員9名
主な機械設備・NC旋盤 2台
・マシニングセンタ 5台
・NCフライス 1台
・横型フライス 2台
・ワイヤー 2台
・ホブ盤 7台
・歯車形削盤 2台
・キーシーター 1台
・ブローチ盤 1台
・スロッター 1台

会社所在地 (Google Map)

東大阪市高井田中3-8-25

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